高校入試 ~調査書(内申書)編~

高校への進学には,所属中学校から進学希望先へ調査書(内申書)を送付します。

その内容や評価がどれくらい合否に影響するのかを解説したいと思います。

注意点として,公立高校での話ですので,私立の学校では事情が異なります。

それでは解説していきます。

1.調査書(内申書)とは

一般的には内申書と言った方が通りがいいのかもしれません。

学校では内申書という言い方はあまりせず,調査書と言います。

今回は調査書=内申書として話を進めていきます。

2.記載される事項

調査書に記載される内容には大きく分けて4つあります。

(1)成績

ここでいう成績とは5段階の評定を指します。

中学校での学習評価を5段階で評価し,5が一番評価が高いです。

中学校3年間の評定が,9教科分記載されます。

ここで重要なのは,評定しか記載されないことです

細かい点数は記載されませんし,観点別の評価についても同様です。

(2)特別活動

特別活動には各種委員会やボランティア,課外活動等が記載されます。

例えば,「生徒会会長をしていた」や「〇〇委員会委員長をした」といったような具合です。

また,「地域の清掃活動に参加した」や「老人介護施設で職業体験をした」といった内容も

記載されます。

ここでは,学習以外での活動が記載されます。

(3)部活動等

部活動等には,その名の通り部活動を中心に記載されます。

この部活動等の扱いですが,高校入試でどれくらい影響があるのかというと,

ほとんど影響がないと言えます。

「中学校で部活動を転部すると内申書に悪影響がある」と考えている保護者の方が

いるかもしれません。

しかし,断言します。ほとんど影響がありません。

その理由は後ほど解説します。

(4)行動の記録

ここに記載されるのは,普段の行動や特徴的な性格についてです。

具体的には,他者を思いやりの心や自然を愛する心など,8つ程度の項目のうち

該当するものに○を記載します。

行動の記録は,○の数が多いほど評価が高いです。

3.高校入試への影響

調査書(内申書)は高校入試にどれくらい影響するのか。

それは,「受験する高校による」と言えます。

(1)学力検査と調査書(内申書)の比重

学力検査と調査書(内申書)の比重が7:3の学校の場合,学力検査を重視している

ことになります。

また,5:5であれば学力検査と調査書(内申書)を同等に重視していることになります。

ここで重要なのは,その学校が何を重視しているか確認することです。

学力検査を重視している学校の場合,当日の試験の出来が合否に大きく影響します。

両方を重視している学校では,当日の試験と中学校での学習状況が大きく影響します。

(2)調査書(内申書)の評価

中学校で部活動を転部するときに,「内申書に響く」と脅しともとれる発言をする教員が存在

するようです。

はっきり言います,響きません。

もう一度言います,響きません。

なぜそう言い切れるのか,理由は2つあります。

①調査書(内申書)の部活動等に関する部分が合否へ与える影響

入試の倍率が高く,高い点数で多くの受験生がひしめき合って,ほとんどの受験生が

オール5,またはそれに近い評定平均であり,学力検査でも1点で合否が分かれる

学校であれば,部活動等の記載事項が多少影響するでしょう。

もう一度言います,多少影響するだけでしょう。

そのような条件で何が影響するのかと言えば

・都道府県大会で上位進出,または上位入賞

・各ブロック大会へ出場,または上位入賞

・全国大会レベルの大会への出場,または上位入賞

これ以外の成績,例えば「地区大会優勝」や「都道府県大会出場」は合否への影響は

ほぼありません。

同様に,転部したことが合否へ影響することもありません。

なぜなら,何が理由で転部し,転部した後の学校生活がどうであったかなどは

一切記載しないからです。

②調査書(内申書)の作成方

調査書(内申書)は,担任が原案を作成し,学年主任→教頭→学校長の順に

チェックが入ります。

生徒の合格を願って調査書(内申書)を作成するのに,マイナスなことを記載して了承する

学年主任や管理職はいません。

なぜなら,その学校の評判や進路実績に関わります

調査書(内申書)の発行には,学校長の許可が必要であり,公印が押されます。

担任が原案を作成するときにマイナスな記載したなら,まず学年主任が担任へ差し戻します。

学年主任が「これなら大丈夫」と確認したものを教頭が再び確認します。

ここでも,教頭から「この表現を直しなさい」と指示がきたら,学年主任を通して担任は

直さなければなりません。これは職務命令ですので,担任及び学年主任は従う義務があります。

教頭から「これなら大丈夫」と確認したものを学校長が最終確認します。

細かい教頭や学校長であれば,「て」「に」「は」「を」や句読点に至るまで確認をして,

至らない部分があれば教頭や学年主任を通して担任に差し戻されます。

そうして完成した調査書(内申書)に公印が押され,受験先の学校へ送付されます。

4.まとめ

調査書(内申書)の点数や評価は,生徒や保護者に開示されることはあまりありません。

従って,様々な噂があって不安なことでしょう。

しかし安心してください。

転部などでマイナスに評価されることはありませんし,3年間同じ部活動を続けたとしても

大きなプラスにもなりません。

なぜなら,部活動は教育課程外の活動だからです。

調査書(内申書)の評価や点数を気にして悩んでいるのであれば,もったいないです。

自分のしたい部活動をすることが一番ですし,それよりも普段の授業や定期考査で

一生懸命勉強して,学力検査で高得点を狙う方が今の高校入試のシステムでは有効

です。

普段の授業や復習日頃の学校生活を大切にすることが一番だと私は思います

最後までお読みいただきありがとうございました。

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