校務分掌とは学校を運営するにあたり,教職員で役割を分担することです。
学校や校種によってさまざまな校務分掌があります。
ここでは主に,高校での校務分掌について解説していきます。
校務分掌ではさまざまな役割(業務)を任されます。
では,どのような校務分掌があり,どのような役割(業務)があるのか見ていきましょう。
1.教務部
教務部は学校運営の根幹にかかわる業務が多く,一番重要な校務分掌と言っても過言では
ありません。以下が主な役割(業務)です。
(1)時間割の編成
(2)年間・月間行事の編成
(3)成績処理
(4)指導要録の確認・点検
(5)入試・編入・転入試験業務
(6)定期考査の編成
(7)生徒名標の作成
(8)オープンキャンパスの実施
(9)教科書の選定
(10)DX化に関する庶務
(11)授業力向上の計画
などです。近年,各学校にiPadなどのタブレットや教室に常設プロジェクタが設置されて
います。所謂,GIGAスクールを進める文部科学省から各教育委員会へ,そして学校現場へ
さまざまな業務が来ます。
例えば,iPadの設定やアプリ管理,使用ルールの策定など,0から作らなけれなならない
ようなものが多いです。
GIGAスクール構想によって担当者は一気に仕事が増えます。
2.生徒指導部
生徒指導全般にかかわる業務です。
主な役割(業務)は
(1)生活指導
(2)交通関係(バイク通学・自動車学校・アルバイト等の許可)
(3)生徒会
(4)体育祭,文化祭などの計画・管理・運営
(5)特別指導の連絡・調整
(6)スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーとの連絡・調整
(7)各講話の実施計画
(8)部活動庶務
など,残業の温床となっている分掌です。生徒に関わる業務が多いため致し方無いかも
しれませんが,家庭での躾であろう場面まで学校に任せようとする保護者が存在します。
家庭の協力が期待できない場合,担任を中心として負担感は増大します。
3.進路指導部
高校卒業後の進路は大きく分けて2つ,就職と進学です。
現在,高校卒業後の進学率(4年制大学,短大,専門学校,各種学校)は
50%を超えている状況が続いています。
主な役割(業務)は
(1)進学指導
(2)就職指導
(3)各種模試の実施
(4)応募先の選定・支援
(5)就職先への訪問・開拓
(6)地元企業・ハローワークとの折衝
など,生徒の卒業後に大きく関わる分掌です。
4.個人的な負担感
生徒指導>>教務>>進路指導でしょうか。生徒に関わることが多い分掌が重いです。
特に,特別指導では帰宅が深夜に及ぶこともあります。
また,恒常的に部活動指導では勤務時間を超えた指導を余儀なくされ,経験がなかったり
興味が薄い部活動の負担感は大変大きく感じます。
教務が個人的には性格的に一番合っているように感じます。
成績処理や指導要録はミスが許されない業務であるため,緊張感があります。
また,教科書選定では多くの出版社の中から選ぶため,選定に多くの時間や手間がかかります。
副教材についても同様で,問題集や資料集も数多くの中から選定する必要があります。
進路指導では,各種模擬試験の受付,申し込み,実施,発送,会計の負担が大きいです。
また,進学希望者へ対する課外授業も実施します。長期休業中や放課後等に実施しますが,
国語・数学・英語の教員が担うことがほとんどで,課外担当の教員も勤務時間を超えて指導
することが恒常化しています。
5.まとめ
校務分掌によって,負担感はとても変わります。
自分の性格や適性に合った校務分掌であればいいんですが,年齢が若かったり異動してきた
ばかりだと校務分掌の中で誰もしたがらない役割を当てられることが多いです。
特に,その学校に長く在籍している先生や年配の先生が駄々をこねて面倒な役割を回避した
ときに,割を食うのは若い先生方です。給料は安く負担は重い,そんな歪な状態になってし
まいます。中堅教員が少ないのが大きな要因ですが,それはまた別の機会にお話しします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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