教員の働き方改革が各メディアで取り上げされていますが,業務内容と労働時間との関係に
ついて私の場合を例に挙げてみたいと思います。
全日制の高校の場合,校務分掌や教科等によって多少の違いはありますが,概ね以下の通り
かと。
1.起床~出勤
6:30 起床
子どもと一緒に起床,着替えや洗面,散歩等をする。2階に寝ているため,2人を抱っこして
下に降りてくるのが起床後,最初にして最大の肉体労働。17kg&13kgを抱っこしくる。
イメージとしては,目覚めて一番最初にすることが30kgの米袋を抱えて階段を下りる。
朝から寝ぼけてなんかいられません。
7:30 家を出る
朝ごはんは食べない派,食べると昼頃に猛烈にお腹が空くため水かお茶を飲むのみ。
2.出勤~放課
8:00 出勤
その日の授業や空き時間の確認,書類や申込締切,打合せ内容を確認する。
朝学習や朝読書など,あまり意味のない活動の準備もここでする。
8:20 打合せ
全体での打合せ,共有しておくべき事柄について連絡や確認を行う。その後,学年ごとにも
行う。欠席連絡や出席停止,公認欠席の有無についての確認もここで行う。
8:30 SHR
全体や学年,学級での連絡事項があればここで行う。
配付物は帰りにすると生徒は学校へ忘れにくい(教員は帰りに渡し忘れやすいので注意)
8:45 授業
1コマ50分,授業ごとの間は10分,1日6コマのうち,全部が授業で埋まることもある。
基本的には立ちながら授業をするので,午前中に空きコマがなければずっと立ちっぱなし。
授業間の10分は次の授業準備と水分補給(授業で話すため,喉は常にカラカラ)
15:30 授業終了
清掃指導やSHRを行う。SHRで連絡・配付物があれば忘れずにする(忘れやすい)
3.放課~部活動
16:00 部活動
残務処理や緊急案件があれば部活動よりも優先する。
部活動の内容は部長と昼休みなどに打合せをしておく。指導を行う傍ら,大会への申込・
登録,宿泊を伴う場合は宿探しをする。他の先生に情報をもらいながら宿を探すと捗る。
部活動指導の後にすぐ帰宅する先生がいるので,用事がある場合は部活動の前に話をして
おかないとなかなか捕まらない。
官製ブラックの根源の1つ,地域などの外部団体への早期移行を切に願う。
16:50 退勤時刻
退勤する教員はあまりいないが,退勤しても何も言われることはない(当前ですが)
子育てや介護,通院などで退勤する先生がほとんど。男女問わず,独身でこの時間に退勤する
先生はあまり多くない。特に勤務年数が短い先生は教材研究や事務処理,部活動指導等に時間
を取られる。自宅に帰ってから教材研究はとてもしんどい。
私も一時期,自宅でしていましたが集中力が続かずコンプライアンス上,必要な資料を持って
帰るのが難しいため学校でする方が効率いいです。
官製ブラックの根源の1つ,残業の温床である。
18:00 部活動終了
文部科学省のガイドラインに沿って,平日2時間程度で部活動は終了。その前は3~4時間活動
していた時期もあった。
生徒の帰宅を確認して職員室へ戻る。
職員室では半分くらいの先生が仕事をしている。
部活動終了後にそのまま退勤する先生もいるが,部活動後にジャージのまま仕事を始める先生
も少なくない。
官製ブラックの根源の1つ,2時間でも退勤時間は大幅に超えている。
18:10 翌日の授業準備
準備物や特別教室の利用があれば調整・整理する。
特にICT機器はどのように準備するのが合理的かを試行錯誤する。
例えば黒板へ教科を投影するのに,どのプロジェクタを使用するのか(明るさや焦点距離,
使用するケーブル端子の有無など),どのタブレットやPCを使うのか,どの角度だと黒板
に見易いのかなどなど,細かい準備が必要となる。
この授業準備を勤務時間内に終えるのはほぼ不可能。そんなことをしている時間的・物理的
余裕は今の学校現場にはない。
19:30 退勤
緊急の生徒指導案件があれば,この時間から家庭訪問することもある(実際にしていた)
また,定期考査前は問題作成が終わらなければもう少し残っていくこともある。
4.帰宅~就寝
20:00 帰宅
子どもとの時間は限られるため,遊びや寝かし付けをしてからお風呂に入り,夕飯を食べる。
22:00 ~就寝
自由時間であるが,翌日の授業のイメージをしたり,教科に関係する本を読んだり,
部活動指導に役立つ動画を見たりする。業務ではないが,気が付いたらやっていた。
翌日に疲れが残らないよう注意する。
5.まとめ
これが平日のよくある1日,大体12時間程度勤務していて,残業は毎日2~3時間。
生徒指導案件や補習・補講が発生すると単純にこれに乗っかってくる。
時間がいくらあっても足らず,部活動指導や授業準備時間が削られる。
各種の調査・報告文書が山のようにあり,授業の合間に処理している状態。
部活動に関するものも少なくなく,練習試合の調整や大会への参加申し込み,学級通信,
小テストの作成など,調査・報告よりも緊急度が優先される事項が多くある。
精査・をして無駄だと思われる調査・報告を削減してほしい。
いや,本当に。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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