日々の授業研究や研究授業,指導主事訪問等で,学習指導案の作成に苦労されている先生方も多いのではないかと思います。
学習指導案の作成について,私なりの作成ポイントについて話したいと思います。
ポイントは3つです。
1.単元観
2.生徒の実態
3.指導観
これさえしっかり練ってあれば他は枝葉の問題です。
逆に言えば,ここがふんわりしていると残念な指導案になります。
1.単元観
まず,学習指導案では単元を設定しますよね。
今日の授業で扱う題材は,どこの単元なのか。また,その単元での目標を決めます。
単元は大きな塊になっているので,そこでの目標は,学習指導要領に沿って記載すればいいでしょう。
それを基に教材観を練ります。ここで記載すべき内容は次の3つです。
(1)単元の位置付け
学習指導要領では,ここの単元をこのように位置付けていますということを記載します。
これらを教科書の内容とリンクさせ記載します。
(2)単元で扱う内容
この授業ではどのような学習指導を行うのか,具体的な指導内容を記載します。
学習指導要領には観点別に指導内容がありますが,より具体的に記載するのがいいと思います。
(3)単元の指導内容は重要
初めて学習する者にとって,この教科・科目の目的や,指導するにあたってこの題材はとてもいい
ですよってことを記載します。また,初めて学ぶ生徒にとって,この単元はこのようにつながりが
あることなどを記載するのもいいと思います。
2.生徒観
ここが薄っぺらいと指導案としてはスカスカな印象(というよりも事実)を受けます。
ここで必要なのは次の2つです。
(1)生徒の興味・関心
生徒がその教科・教材に対する興味や関心がどの程度かを事前に調査します。
その傾向や分布などを調べ,特徴を把握します。
(2)レディネス・テスト
生徒の学習到達度(習熟度)を把握するため,レディネス・テストを実施するといいでしょう。
どの部分の理解が進んでいるのか,または課題があるのか把握できます。
例えば確認事項としては
・単元で必要とされる前提知識
・新しく学習する内容に対する知識の程度
・家庭での学習状況
が考えられますし,実力テストや外部テストの結果を活用するのも有効です。
よくあるのが「授業は落ち着いて受けているが,自分から発言することは少なく大人しい
生徒が多い。」←これって中・高校生だったら大体みんな当てはまりませんか。
決して,生徒の性格や学級の雰囲気だけの記述はやめましょう,ほとんど意味がないので。
3.指導観
単元観や生徒観に基づき,指導方針を決めます。もっと言えば,指導観が明確な授業ほど
わかりやすい授業になりやすいということです。
4.まとめ
1.単元観では,その目標を達成すための内容を記載します。
2.生徒観では,授業を受ける生徒の実態を記載します。
3.指導観では,指導目標と生徒の間にある隔たりを埋め,生徒へどのような
学習指導をしていくのか記載します。
この3つがしっかりていれば大丈夫なので,各々の校種に応じた学習指導案に
落とし込んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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